婚活サイトを利用して婚活することが珍しくなくなってきた昨今、利用者の数に比例して多くなっているのが結婚詐欺です。
「自分は絶対に騙されない」と過信し、他人事だと思って気を抜いてしまう事で被害に遭うケースが多いのです。
そこでこの記事では、婚活サイトで実際にどんな詐欺が横行しているのか、どんな人がターゲットにされやすいのかを、結婚詐欺を見抜く方法や対処法とあわせてご紹介します。
婚活サイトの結婚詐欺の手口ってどんなもの？
ひとくちに婚活サイトの結婚詐欺と言っても手口は様々で、あらゆる角度からアプローチしてくるため、一見すると詐欺とは思えない場合もあります。
結婚詐欺師の目的の大半はお金
結婚詐欺師の目的の殆どがお金です。
その気は無いのに結婚をほのめかして相手を信用させ、お金や金品を根こそぎ騙し取ろうとします。
また、男性詐欺師の場合はお金だけではなく肉体関係を目的に近付くケースもあるので、婚活中の女性はより警戒が必要です。
男性詐欺師は結婚を夢見る女性の弱みにつけこむ
男性詐欺師は会社経営者や高学歴・高収入といったいわゆるハイスペックな男性になりすまし、女性が純粋に結婚したいと思う気持ちにつけこむのが手口です。
突然お金が必要な状況に陥る相手には特に注意！
最初は羽振りの良さをみせつけておき、女性がすっかり信用したところで突然お金が必要な状況に陥るというのが常套手段。
「このお金の問題が解決したら結婚しよう」などと言って女性にお金を出させたら、その後音信不通になってしまうのが典型的なパターンです。
女性詐欺師は男性の心情に訴えかける
女性詐欺師は思わず男性が手を差し伸べたくなるようなシチュエーションを演じ、男性の心情に訴えかけ良心を上手く利用します。
苦労話で同情を買いお金を出すように仕向ける
女性詐欺師は男性の心に入り込む達人と言えます。
貧乏だった生い立ちや親の病気の話など苦労話を持ち出して男性の同情を買い、男性自らお金を出してあげたいと思うように仕向けるパターンが多いです。
外国人によるロマンス詐欺に注意！
国際化が進み多くの外国人が婚活サイトを利用していることから、外国人による結婚詐欺もみられます。
所謂ロマンス詐欺という詐欺で、手口の半数は箱ものと呼ばれる手法です。
海外から現金の入ったケースや高額なプレゼントを送り、それを安全なところで受け取ってほしいと頼まれます。
その後、何らかの理由で税関で荷物が止まったことを理由に手数料、保険料、罰金などを騙し取られます。
無論、送った荷物自体が偽装なので、お金を支払っても全く意味はありませんので、絶対に支払わないようにしましょう。
なお、ロマンス詐欺の特徴としては、箱もの以外の手口の他に
- 自称アメリカ、イギリスの軍人を騙る（大半がこのケース）
- 自称医者（軍医）、ジャーナリストを騙る
- シングルファザーやシングルマザーで養育費に関わる金銭を要求してくる
といった特徴なども多く見られるようです。
いずれの方法も、SNS等の写真も入念に準備されたものを用意しており、相手をしっかりと信用させてから詐欺行為を行います。
シングルファザーやシングルマザー等のケースは、子供の詐欺師を用意するなど巧妙に仕組まれているので注意が必要です。
被害にあわないためにも、しっかりと相手を吟味し、金銭を請求してきた場合は用心するようにしましょう。
実際にあった結婚詐欺の事例を紹介します
結婚詐欺には様々な手口が存在しますが、手口は年々巧妙化しているので詐欺の事例を把握することが大事です。
ここでは過去に実際にあった結婚詐欺の事例を紹介しています。
お金を騙し取った挙句妊娠させて逃げた事例
婚活サイトで知り合った男性から同居するマンション購入の為に頭金を出して欲しいと言われ渡したものの、なかなか話が進まないので聞いてみても「待って欲しい」の一点張り。
子供が欲しいという彼の言葉で妊活の末妊娠し、彼自身喜んでくれたにも関わらず産婦人科に付き添うことは一切ありませんでした。
お腹が大きくなってきた被害女性が男性にマンションのことを詰め寄ると、数日後に連絡が取れなくなったのです。
素行調査の結果、同様の被害に遭った女性が2人いることが判明し、男性詐欺師は数か月後に逮捕されることとなりました。
参考 婚活サイトで妊娠させられてしまった。【結婚詐欺の手口】東京総合興信所数か月で500万円を送金し連絡がとれなくなった事例
婚活サイトで知り合った海外在住の日系人女性とメールや電話でやり取りをする中、女性が来日することになりました。
ところが、帰国途中に経由地の空港で盗難に遭いけがをして入院したと聞かされ、現金やキャッシュカードを全て無くしたから送金して欲しいと言われます。
数か月で500万円超のお金を送金したものの、その後女性とは連絡がつかなくなりました。
参考 婚活サイトに潜む「罠（ワナ）」に注意！～婚活サイトを悪用し、出会い系サイトに誘導する手口に気を付けて～東京くらしWEB同棲女性がいたうえ婚約破棄だと金銭を要求してきた事例
婚活サイトで出会った男性が結婚を口にするものの素性を隠していると感じていたある日、親の病気を理由にお金を貸して欲しいと言われます。
身辺調査を依頼すると男性には同棲女性がいることが判明。
女性は別れを決意すると男性は婚約破棄だと訴えお金を要求し、更には寝ている際に撮った写真をばら撒くと言って脅してきました。
参考 婚活サイトで知り合った人の身辺調査は興信所にご相談下さい。東京総合興信所トップ婚活サイトで結婚詐欺のターゲットにされやすいのはどんな人？
婚活サイトの利用者のなかでも、特に結婚詐欺のターゲットにされやすい人というのがいます。
自分がその特徴に当てはまっていないかチェックしてみましょう。
恋愛経験が少ない人
恋愛経験が少ない人はアプローチされたことで気持ちが舞い上がってしまうので、簡単に騙せる相手として狙い目にされます。
非日常的なシチュエーションに冷静な判断ができなくなるので、詐欺師からするといいカモになるということ。
恋愛経験が少ないと自覚している人は、結婚詐欺により注意深くなっておいた方がいいでしょう。
結婚を焦っている女性
国民生活センターが発表した結婚被害に遭った人の性別年代別の内訳をみてみると、30代女性の被害件数が圧倒的に多いことが分かります。
結婚適齢期といわれる年齢を過ぎ結婚を焦っている女性の弱みにつけこんだ詐欺だと言えるでしょう。
結婚を焦るあまりに、相手を冷静に見極める目を失わないように注意が必要です。
経済力のある人
大企業に勤めている高給取りだったり実家が裕福だったりと、経済力のある人は多額の金銭を受け取れる可能性があると見込みまれ、結婚詐欺のターゲットになりやすいです。
40代後半の男性もお金を貯めてそうという理由で狙われやすいので、付き合って間もないのにやたらと貯金額を聞いてくるような場合は、十分警戒しておきましょう。
相手に尽くすタイプの人
相手に尽くすタイプの人は要求されると断れない傾向が強いので、相手から助けて欲しいとお願いされれば簡単にお金を渡してしまう可能性が高いです。
プロフィールで尽くすタイプだとアピールしている場合は、ターゲットにされるリスクが高くなるので注意しましょう。
結婚詐欺を見抜くにはどうすればいい？
婚活サイトで出会った相手が結婚詐欺かどうか見抜くことができれば、未然に被害を防ぐことができます。
結婚詐欺から自分の身を守る為にはどんな方法が有効なのでしょうか？
相手の身元をしっかり確認する
相手の氏名や住所、電話番号や勤務先が真実であるかどうか、身元をしっかり確認することが何より先決です。
運転免許証などの公的証明書を見せてもらって、実際に自分の目で確認するようにしましょう。
名刺を渡されたからといって安心するのはNG！名刺自体を偽造している可能性があるので、実在する会社なのか等できる限り調べるようにしましょう。
一緒に写真を撮る
詐欺目的の人はできるだけ証拠を残したくないので写真を嫌がる傾向があるため、あえて2ショットの写真を撮ろうと言って相手の反応を見るのもおすすめです。
「写真は苦手だから」と頑なに拒絶する場合は、少し距離を置いて冷静に相手を見る必要があるでしょう。
一緒に写真を撮ったとしても、SNSへの掲載を拒否するようであれば要注意！
写真をSNSにアップすると不特定多数の人に見られてしまうので、詐欺師は絶対避けたいのです。
両親に会わせて欲しいと言ってみる
結婚詐欺師は本当に結婚する気など全くないので、自分の両親に会わせるようなことはしたくありません。
相手が結婚を口にしてきた時は「まず両親に挨拶させて欲しい」とお願いし、どんな対応をするかをみてみましょう。
いくらお願いしても「両親はいない」「入院中だから会えない」などの理由で断ってくる場合は結婚詐欺の可能性が高いと言えます。
両親や友人を偽装する可能性も
詐欺グループの仲間が両親や友人になりすますなど用意周到なこともあり得るので、相手の知人に会わせてもらったからといって安心もできません。
これだけで相手を信じきってしまわず、怪しいと感じたら関係を切ることも時には必要です。
お金の要求をキッパリ断り相手の反応を見る
相手が何等かの理由でお金を要求してきた場合、その時点で結婚詐欺を疑った方が賢明です。
どんな理由があるにせよ、一度その要求をキッパリと断り、相手の反応をチェックしてみましょう。
相手が結婚詐欺だった場合は、突然態度を豹変させたり騙せる見込みがないと思って音信不通になるケースが多いです。
結婚詐欺に遭った時の対処法
結婚詐欺に遭ってしまったと気付いた時は、感情的にならず冷静に対処することが重要です。
問題解決の為にも決して一人で抱え込まず第三者に相談しましょう。
探偵事務所に依頼する
相手が結婚詐欺師かどうかを確かめるには身元を徹底的に調べる必要があるので、探偵事務所に依頼するのが一番です。
相手が逃げてしまってからでは調査に手間がかかるので、おかしいなと感じた時点でできるだけ早めに依頼するのがポイント！
探偵事務所で得た情報が、その後の対処で多いに役立つことも期待できるでしょう。
弁護士に相談する
自分が受けた被害が結婚詐欺に該当するかどうかも含め、法律の専門家である弁護士に相談してみましょう。
間違いなく結婚詐欺だということになれば、自分にできることは何なのか適切な対処法をアドバイスしてもらえます。
結婚詐欺を立証できれば慰謝料の請求も可能
場合によっては慰謝料を請求できるケースもありますが、その際には結婚詐欺に遭ったことを立証する為の証拠が必要になります。
結婚詐欺であることに気付いた際には次のような形で証拠を残しておきましょう。
- 借用書や振り込み明細書や通帳
- 2人の会話の録音（結婚の話や金銭授受の内容など）
- 相手の免許証のコピー
- 2ショットの写真
- 相手からもらった指輪
- 手紙やメールの文面
- 車のナンバー
弁護士費用が無い場合は法テラスに相談
弁護士に相談する費用が無い場合は、法テラス（日本司法支援センター）に相談してみましょう。
参考 法テラス 公式ホームページhttps://www.houterasu.or.jp/窓口や電話で無料相談を行っており、あらゆる犯罪被害者を支援する情報を提供してくれます。
警察の窓口に相談する
結婚詐欺は立派な犯罪行為ですが、警察に被害届を出してもよっぽどの事件にでもならない限りすぐには動いてもらえないのが実情です。
だからと言って泣き寝入りせず、ひとまず警察に設けられている相談窓口に行って状況を説明しましょう。
詐欺の内容や状況次第では被害届けを出すことになり、他でも同様の結婚詐欺をしていた場合は犯人逮捕に繋がる可能性も期待できます。
国民生活センターに相談する
騙しとられた金額が少額な場合や弁護士に相談するほどのことではないと感じた時は、独立行政法人である国民生活センターに相談するという手段もあります。
参考 国民生活センターhttp://www.kokusen.go.jp/平日だけではなく土日祝日も電話対応を受け付けているので、比較的相談しやすいでしょう。
婚活サイトの結婚詐欺には十分注意して
婚活サイトの運営側は、身分証明書の提出を徹底したりサイト内のパトロールを強化するなど安全性の確保に努めているものの、残念ながら結婚詐欺の被害が出ていることは事実です。
婚活サイトを利用する側も、結婚詐欺のリスクを念頭に置いて自分の身は自分で守るという姿勢が求められます。
万が一詐欺に遭ってしまった場合はすぐに第三者に相談し、騙し取られたお金を取り戻す手立てを講じましょう。